「 5回シリーズ 学習開発技術講座 」
無事終了いたしました。
ご参加いただきましたみなさま、
ありがとうございました。
3回目は、
「 自分で情報を集めながら知識・技能を
習得できるようにするためには? 」
ということをテーマにしながら、
学習を共時的(空間的)に捉えて
教材を開発し、演習を行いました。
4回目は、
「 自分で目標を選んで学ぶためには? 」
ということをテーマにしながら、
学習を経時的(時系列)に捉えて
目標リストをつくり、演習を行いました。
そして、最終回は、
「 授業・講座の魅力をさらに高めるためには? 」
ということで、これまでに学んだことを活かしながら
オリエンテーションを想定した説明を行い、
さらに魅力的になるようにアイデアを出し合いました。
授業について説明を行う代わりに、
卒論の中間発表のように、
講座で学んだことを説明するかたもいらっしゃいました。
今期は、1期よりも演習中心で、
トライアウトを行いながら改良していきました。
また、実際にビデオ撮影を行い、
そこから記録を起こす等の演習も任意で
取り組まれました。
そして、ここで、
開発スタッフにとっても印象的な出来事が。
それは西之園先生の学習設計モデルである
「MACETOモデル」が更新されたということです。
今回は、その部分に関連する講義の書きおこしを
一部公開致します。
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【 4回目の講義にて 】
教育はデータで語ることが非常に不得意な分野なんです。
教育は言葉でつくってきたんです。
理念があってね、教育関係っていうのは、立派な言葉ばっかしですわ。
しかし、それに対応する実態がいない。
工学系だったらね、こっちの実現しているやつが答えですから。
途中で間違っていたら、がらっと壊れるわけですわな。
皆さんの中で合意できるコンセプトを、というか自分のコンセプトが相手に理解してもらえるかどうか。
それで判断してください。
それで、やっぱおかしいわってなったら変えたらいいですよ。
どんどんかえたらいいんです。
私は自分のモデルをつくっているんですけど、MACETOモデルって言ったんだけど、どうもこれ、落ち着き悪いなあって、感じがしているんです。
(中略)
今日は時間の流れで授業をみることがテーマです。

前に、MACETOモデルでやりましたのは、空間的な構成です。
時間軸を無視した時に、一体この授業はどういう形でできているのか。
テーブルの配置が、いま、こうでしょ?
これも一つの空間ですわな。時間は関係ない。
一つ重要なのはね、前書いていたのに、
これ忘れていたわ〜っていうのがあって、
それは「制約」です。
constrain ってやつです。
これが非常に重要な機能なんですよ。
コストってあったんですけど、これ budget 予算ですね。
これがありますんで、そこのところを前提にしないと、また、合意がとれないんですわ。
これが非常に重要な技術的な専門性なんです。
だから、家を設計した時に、敷地これだけしか無いですとかね、予算ここまでなんですとか。
(中略)
空間的な構成っていうのは、授業が始まる前に予定できますのでね。
このときにはこんなのを使おうとか、こういうような準備をしておこうとか。
まあ、だいたい授業前に予定できます。
【 最終回の講義にて 】
(これまでは)MACETOモデルで
『E』を挟んでいたんですが、
他の本
(OECD教育研究革新センターの「学習の本質」)
を読むと、
『Learning Environment』
いわゆる『学習環境』という意味で使っていたので、
紛らわしいと思って、あえて変えたんで、
前にお配りしたやつを修正しておいてください。
大事なのは制約があるということです。
時間、予算、施設、設備、
こういったところに必ず縛りがありますから、
これを忘れたら設計できません。
設計には必ず制約があります。
どんないい建築物を造ろうとしても、
必ずこの制約があるわけです。
この制約の範囲内にあるのが設計です。