田中 美和子 会員(京都ノートルダム女子大学)
の論文「英作文授業における協調自律学習の試み」が、
「学校法人ノートルダム女学院『教育のプリズム』第7号(2008)」に掲載されました!
「0.はじめに」 より抜粋
私立大学で、英語を専攻としない学生に教養課程の英語を教える際、多くの学生が、英語に興味を持たず、文系であっても英語に苦手意識を持っていることに気づく。ヨーロッパとは異なり日本では、外国語である英語を実際に使う機会が少なく、現在および将来において、英語は自分にとって必要がないと思い込んでいるようである。したがって、必須科目であるため仕方なく出席はするものの、積極的に学習しようとは思わないのである。さらに、大学の経営上の理由から、クラスサイズの拡大という問題も起きている。授業の質を高めるためには、小規模クラスが良いのであるが、そうも言っていられないので、中規模や大規模クラスが作られるのである。
しかし、教師の方はそれでも教えていかなければならない。しかも(可能なら)ただの一人も取りこぼすことなく、各人が授業から学習の成果を何らかの形で実感できるように持っていくのが理想である。英語の学習をやる前から放棄しているような学生をみるにつけ、授業中の学習支援が不十分なのではないかと考えてきた。そこで本稿では、スローラーナーの中規模英語作文クラスにおいて、学習支援を行うため、チーム単位の「協調自律学習(Collaborative and Autonomous Learning)」を導入することによって英語授業を活性化することを試みた。本稿では、研究の背景、実践の過程、そしてその結果と今後の課題について考察する。