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2013/07/02

つくりながら学び続ける + 枠をはずす

Tweet ThisSend to Facebook | by:望月
昨日に引き続きご報告です。
6/29は「学習開発技術講座」の最終回でした。

以下の5日間、3レッスンずつ(10:30-16:00)
行いました。

4/20  Lesson01-03
5/18  Lesson04-06
6/1  Lesson07-09
6/15  Lesson10-12
6/29  Lesson13-15

内容は決して易しくなかったと思います。
しかし、開発者側にとっても
非常に勉強になりました。

いや、むしろ開発者側が、
一番学ばせていただいたのではないかと思います。

まさに、副題の

 「 講座をつくりながら学ぶ 」

です。

今後、可能な範囲で
参加された方々が開発された教材や事例
(つくりながら学んだ成果)、そして
効果的な学び方を
共有できればいいなと思います。

たとえば今回は、
始業30分前に勉強会を開き、
学んだことを他のスタッフと共有している
というご報告を頂きました。

同じ組織からお二人で参加されていたのですが
確かにお二人だと勉強会も開きやすいし
学んだことを伝えやすくなりますよね。

自身の経験でも、一人で参加したものを
一人の胸にしまいこんでしまうということが
よくあります。
組織に活かしたほうがよい内容でも
活かし方のアイデアがでてこなかったり、
一人では実行できなかったりすることも
多々あります。

このようなことから、複数で参加して
仲間に伝えるための勉強会を開きながら
継続的に取り組んでいただくことは
とても効果的だと思います。


さて、今回の講座は次のような内容を
ゼミ」のようなイメージで
学習しました。

Lesson01 私はこんな人です。
Lesson02 「教えられる」から「学ぶ」へ
Lesson03 学びを結ぶ用具
Lesson04 「私が学ぶ」の意味を探る
Lesson05 どのようにすれば学習者が学ぶ意味を意識するか
     ー意味と学習目標と成果のひもづけー
Lesson06 学ぶ内容はどこにあるか
Lesson07 モデルによる学習設計Ⅰ
Lesson08 モデルによる学習設計Ⅱ
Lesson09 モデルによる学習設計Ⅲ
Lesson10 学習の場と学習者の変容
Lesson11 改革と改善の学習設計技術
Lesson12 学習開発者の変容と学習者の成長
Lesson13 学習指導上の査定と社会的認証
Lesson14 学習成果の発表
Lesson15 査定とリフレクション

「ゼミ」ですから、最後に卒論(発表会)
がありました。



今回、私たち(参加者と開発者)が
学ぶ上で大事にしたい言葉は

 「 枠はずし

でした。

2日目のワーク(Lesson04)で
浮かび上がった言葉です。

授業や研修をつくるときに
時に何かの「枠」にとらわれているために
未解決の部分がなかなか解決しないという
ことがあります。

ですから発表会も、
自信を奪うものではなく
希望がもてるようになることを目指し、
未解決の部分や完成度を高めるために
さまざまな角度からアイデアを検討したり
新たにアイデアをゆっくり出し合う時間に
しました。

一見、専門領域が異なれば、
一緒に授業や研修を検討できないという
イメージがあります。

しかし、案外「課題点」は
専門領域を超えて共有できるものが
たくさんあります。

たとえば今回は、参加者が開発する授業や研修について

 ・ ゴールを達成するための判定基準を明確にしたい

 ・ 学習者自身が成果の質を高めるポイントを見いだせる構造にしたい


 ・ 環境(他者との協力、情報、用具)をうまく活用しながら
   学習者自身が成果の質を高めたくなる課題をつくりたい


などの課題が共有されました。


ここで共有可能な想いや課題を
明確にしておくことが重要で、


その上で
異なる専門領域の多角的な視点を借りて
検討することによって

  「 枠はずし 」

が機能しやすくなるのではないかと
思います。

「枠はずし」とは要するに、
「こうあるべき」と思っていたものが
「いや、実はこうかも」と別の捉え方で
捉えことができる状態です。

別の見方もできることで
思いもよらない解決方法が生まれますよね。
そして、何かから少し解放された気分になれます。

しかし、授業や研修への想いや課題を
うまく共有できていないと、
「別の見方」というよりも、
見当はずれの批判をうけたりすることもありますよね。

たとえば今回

「いつも学会で実践発表するけれど
 重要な部分を理解していただけるよう説明できない。
 しかも共同研究者として助け舟を
 出すことができずにもどかしい思いをしていました。」

という方もおられましたが、この場合がその事例に
あたると思います。

聞いている人の価値観で評価されると、
見当違いの批判をうけますよね。

  自分が取り組んでいる実践に向き合ってみて
  改めてその取り組みが
  どのような実態についてどのような状態を
  期待するものであるのかという
  いわば実践の価値をともに見いだす

その価値をなんらかの形(たとえばメタファ等)で共有することで
その価値のうまい表現方法を
さまざまな分野のかたから提案してもらえるかもしれませんね。

参加者の方とそんな話をしていて自分も勇気づけられました。


整理すると、効果的な学び方として

 ポイント1 学習成果の普及と継続的な学習のために
    → 同じコミュニティから複数で参加する

 ポイント2 「枠はずし」のために 
    → 異なる領域の人たちとともに学ぶ


この二つのポイントがおすすめです。


 「 今のやりかたに限界を感じている 」

と感じられている方は、
ぜひ、次回の参加者として
(できれば ポイント1・2 をふまえながら)
ご検討いただければと思います。




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