2011年度募集では、つぎの研究が採択されました!
■ 研究タイトル 「中等教科教育法(情報)」における協調自律学習を取り入れた授業設計
■ 申請代表者 高橋朋子( たかはし ともこ )
所属 武庫川女子大学文学部
ILD個人正会員
■ 研究背景と研究目的 情報社会は, ICTの登場により効率化,高速化になり,ますます便利にグローバル社会となる。また,Web2.0 やクラウドコンピューティングといわれるように,だれもがICTを意識することなく社会に参画できるようになる。このような社会(知識基盤社会)では,自らが常に知識を更新し,新たな知識を創造し生きていくことが求められている。
特に,情報教育においては,このような社会で生きていくために必要な情報活用能力を身に着けることを目標としている。筆者は,この情報活用能力を「生産的な情報を生み出す能力」であると位置づける。生産的な情報とは,自己中心的な自らのためだけの情報活用ではなく,社会の一員として責任ある新たな知識を生み出せる能力であり,情報教育の目標である3観点「情報活用の実践力」,「情報の科学的な理解」,「情報社会に参画する態度」に加え,「他者の立場に立ち協調できる社会性と,自己を知り,自己の発信に責任や見通しをもつことができる自律性」が必要であると考える。
2011年3月,京都大学の入試問題が試験時間中にインターネットの質問掲示板「yahoo知恵袋」に投稿され,新聞やニュースで大きく取り上げられた。偽計業務妨害容疑で19歳の予備校生が逮捕されたが,この予備校生は,ケータイを使いこなし自らの問題を解決するための情報活用の実践力と実行する高いモチベーションを持っていた。しかしながら,行った投稿は自己中心的で,先の問題を見通すことができていない。自己中心的な情報活用や,責任感や先の見通しを持っていない子どもたちの社会的情報活動が増えると,問題が多く生じると考える。情報教育においては,3観点に加え子どもの社会性(協調性)と自律性を育てることが重要である。
そこで,本研究では,高等学校教科情報科の指導法を学ぶ授業において,協調自律学習を取り入れた授業を設計することを目的とする。学習者自らの情報活用能力を育成することは重要であるが,本授業の学習者は教科情報科の教員を目指す学生であり,本授業において協調自律学習を取り入れる意義は高いと考える。初年度である2011年度は,まず,学習者の実態を把握することを主な目的とする。
■ 研究方法 授業設計のモデルとして,西之園晴夫のMACETOモデルを用いて,授業設計を行う。佛教大学の中等教科教育法(情報)において実践を行う。受講者数は10名である。分析方法は,ビデオ記録,学習記録(c-learning)から学習者の学習過程を分析し,自律性や協調性の視点で,その実態を把握する。学習者の実態から,授業改善,教材開発を行う。