協力して再設計案を創ります。
依頼人は中学・数学科の先生です。
ターゲットとなる授業のねらいは、
サイコロの面の数の規則性を文字式と表を使って説明できるようにすることと、
表現方法や思考方法の多様性に気づくことでした。
この授業の先生は、グループで学ぶようにすることで
生徒一人ひとりが協力し合って考えを深め、
解答を導きだすまでの思考手順や根拠の説明できるようになってほしいと
考えておられました。
グループ学習で難しいのは、一部の生徒だけで考える状態に陥りやすく
グループという形態を活かしきれない場合があること。
そこで、グループという形態を活かして深く学ぶためのしかけを考えました。
例えば数学が苦手な生徒の役割を明確にしたり、明示された到達度で進捗状況を
管理するとともに学んだ用語で成果を説明する課題を設けたり、グループ間の成果を比較して多様な解き方を習得するようにしたりしました。
問題は「時間」です。
1時間で終えることは不可能と考え、数回に分けた展開にしました。
そのとき重要なのは授業と授業の 「つなぎめ」 です。
前後に起こる変化を予測した、発問や指示を考えます。
また、板書を写すスピードによるタイムラグもあるため、
必ずしも自分で記述する必要がないものは教材に提示しておくなどの小さな工夫も行いました。
全く新しいものを一方的に提案いたしません。
想いや、授業・研修の実態を丁寧に確認し、
そのねらいを達成するために考え得る「他の可能性」を一緒に探りましょう。